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蜘蛛の巣
第11章 変わらぬ心、変わりゆく身体
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「私、二人がやるような問題出来るかどうか……」
「何言ってるの! ハナ頭良いんだし、たかが高二の問題だよ?」
綾斗に背中を押されながら談話室にやって来た華は半ば無理やり三人掛けのソファに座らされる
渋る彼女にお構いなく目の前には既に問題集が広げられていた
“ぅ、数学苦手……”
茅斗が指したのは数列の応用問題。
しかもがっつり理系の入試問題からの抜粋だった為、華はまず解説とにらめっこするところから始めなければならなかった
「あーなるほど! そういうことか!」
「ハナの説明って分かりやすいね!」
「そ、そうかな? ありがと」
自分が道に迷わないようかなり必死だった華は嬉しそうに顔を綻ばせる
思わず調子に乗ったのか、頼まれてもいないのに他の重要ポイントの説明まで始めてしまった
「それでね、この問題ならこっちの方が良いけど……」
「あ、あの……ハナ?」
「もしこういう問題だったら……」
教える側としてついつい熱が入って暴走してしまう
それは白河家の特徴らしかった
「ね! この解き方の方が早く出来るでしょ!
それから……」