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蜘蛛の巣
第11章 変わらぬ心、変わりゆく身体



「ハナ」



茅斗が苦笑しながら華の腕を掴んだ



「ありがと。でももう分かったから、大丈夫だよ」

「あ……ご、ごめんね。私つい……」

「いいのいいの! ボクだって卓球の時やっちゃったし」



綾斗も笑いながら華に顔を寄せる



「……?」

「ホントに優しいね、ハナは。昔から……」



いつもとどこか違う雰囲気にどきりとする華

と、急に茅斗が掴んでいた手を取って自分の頬に押し当てた



「あったかい……」

「ちょ、カーヤ!? 何突然……」



なんだろう

私の知ってる二人じゃない



「大好きだよ、ハナ……」



綾斗の腕が首に回される

華はいよいよワケが分からなくなってきた



"どうして…小さい頃から言われ慣れてることなのに……"



「ね、二人とも……やめて? 私たちもう子供じゃないんだよ?」

「……本当にそう思ってる?」



綾斗の腕に力が籠る

振りほどきたくても振りほどけない



「ここに来てから一度だってボクたちのこと"男"として見たことあった?」

「……っ」



低い声

広い背中

だけどいつも変わらず明るくて、子供みたいにはしゃいでーーー


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