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蜘蛛の巣
第12章 あの日々は遠くーーー



「勝手ながら華様のサイズを調べさせて頂いて、しばらく前に発注したものが先ほど届きましたので」

「発注、ってオーダーメイドですか……」



“まぁなんとなくそんな気はしてたけどね……”



「これもしかして……明日の誕生日会に着る、とかですか?」

「ええ。いくら身内のお祝いとは言っても、こういった機会にしっかりドレスコードやマナーを学んで頂くのもこのお邸の役目ですから」



さ、早く着てみて下さいと橘は華を無理やり脱がせにかかる

こんな相手の前で下着になるのは恥ずかしかったが、拒否権がないのはよく分かっているので華はすぐにシャツやズボンを脱いだ

膝丈のワンピース型なので生地を破ったりしないように注意して上からそっと身につける



「もっと正式な場では脚の隠れるドレスになりますが、今回はある方のご要望もあってより華様に似合う方に致しました」

「ある方って?」

「和樹様ですよ」



“……”



何故だろう

異性に似合う服を選んで貰ったりするのは、本来嬉しいことなのではないだろうか

それが和樹相手となると−−−



“なんか裏がありそうで怖い!”



素直に喜べない


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