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蜘蛛の巣
第12章 あの日々は遠くーーー
「てか七人もの男子と一つ屋根の下で暮らしておいて何でそんなこともわかんないの。誰か別の人に直接聞けば良いじゃん」
「ぅ……まぁそれもそうなんだけど」
考えてみれば、華が自分から話しに行く仲なのは結利と双子くらいなものだ
その双子には、先日の一件以来声が掛けずらくなっていて−−−
「もうっ、しょうがないなぁ。この真里枝様が手伝ってやんよ」
真里枝は本気で困った顔をする華に苦笑して協力を申し出る
「ほんとっ! よかったぁ。やっぱり持つべきものは友達だね!」
「大げさだよ〜。
あ、でも私今日午後も授業入ってるんだけど、待っててくれる?」
「うん!」
安堵のあまり簡単にそう返してしまった華だったが、真里枝を待ってからいつものショッピングモールまで移動した時、時刻は既に五時を少し回っていた
身支度を含めて七時のパーティー開始に間に合う為には、あと一時間もいられない
だが真里枝にとってそんなことは関係なく、ただ友達と遊びに来ている感覚だった