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第1章 出逢い

｢ああ、レンおじさんはね！　大学院生なんだよ！｣

｢そう！　それでね、小説家なのー！｣

｢ええっ、小説家さん！？｣



それはなんだか凄いことのようで、華は驚いて大声を出した



｢名前とか忘れちゃったけど、結構売れてるみたいよー？｣

｢そんなのおじさんが言ってるウソだよ絶対！

ね、ハナ、おじさんのことはどうでもいいからボクの部屋見てよ！｣



綾斗たちはぐいぐいと華を部屋に押し込む



"えっ？"



入って周りを見渡し、華は首を傾げた



｢ここってアーヤの部屋なんだよね？｣

｢そだよー？｣

｢ベッドとかは？｣



見た限り勉強するときに使うのであろう机と、バッグなどの私物がいくつか置いてあるばかり。



｢ベッドはそこのドア入ったとこだよ！｣



綾斗は部屋の隅を指差して答える



｢で、こっちがシャワー室で、こっちが……｣



華の部屋よりも詳しい説明をしてゆく綾斗



"一人のためにこんな何部屋も……"



これは自分の部屋が狭いと言われるわけだ



"恐るべし跡取り……！"



｢ハナ、どうしたの？　大丈夫？｣



唖然としている華を茅斗が心配そうに覗き込む



｢う、うん……茅斗の部屋もこんな感じなの？｣

｢うん！　ほとんど同じだよ！

あ、でもボクの部屋は窓が中庭の方向いてて……｣