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蜘蛛の巣
第13章 鎖された場処
「これ全部皆さんのですか!?」
「うん、ここに来てからのね。人数が増えて蔵がいっぱいになっちゃったからデータ処理してもらおうと思って。DVDとかももっと容量の大きいやつに移さないと」
壮真は綾斗が隣に下ろした袋に手を置いて言った
「……」
華は目の前に積まれたアルバムの山をじっと見つめる
“見たい……”
ここにいる皆がどんな少年だったのか
どんな風に過ごし、成長してきたのか
知りたい−−−
「……ま、こういうのってつい見たくなっちゃうよね」
彼女の心の内を読み取ったのか、壮真がため息をついて笑った
そして近くにあった一冊を引き寄せてページをめくる
「ああ、これは二年前の……和樹の最初の誕生日会だね」
華は壮真が指した写真を見る為に少し体を寄せた
「なんか……緊張してる?」
昨日と同じような集合写真の真ん中には、耳を真っ赤にしてカメラを睨み付ける和樹の姿が。
「まだ来て日が浅かったからね。俺たちはほとんど会ったことがなかったし、煉兄さんも……和樹が小学校に入ってすぐこっちに来ちゃったから」