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蜘蛛の巣
第13章 鎖された場処

「あ、そっか……」
集合写真の下、煉に頭をくしゃくしゃにされている和樹を見て華は呟く
今だったら、こんなことされる前に腕を払い除けているだろうに。
「八月…三十一日生まれなんですか?」
アルバムに日付が書かれている
「和樹が? うん、そうだよ」
「この日も空けとかなきゃ……」
「華ちゃんは?」
「えっ?」
自分のことを尋ねられて華は顔を上げた
“ぅ、わ……近っ!”
自分でそうしたことなのだが、壮真が思った以上に傍にいたことに華の顔が一気に赤くなる
彼の琥珀色の瞳に吸い込まれそうだ
「ご、ごめんなさい!」
華は座ったまま慌てて後ろに下がる
「……? 俺、何かした?」
「あ、そうじゃなくて、その……」
「ハナは六月七日だよ」
急に二人の間に低い声が割って入る
聞き慣れない声色に驚いて横を見ると、綾斗が大きな目をじっと此方に向けていた
なんだろう
いつもと雰囲気が違う−−−

