この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蜘蛛の巣
第13章 鎖された場処

「予定入れちゃうと困るんで、皆さんのお誕生日教えてもらえますか?」
また昨日みたいに慌てることがないよう、しっかりスケジュールにメモる用意をする
「ああ、ちょっと待ってね…俺も全員のをちゃんと覚えてるわけじゃないから……」
確認の為に壮真もスケジュール帳を開いた
「あ…すみません、わざわざ」
「ちなみにボクたちは……」
「それは分かってる。大丈夫」
適当にあしらわれて綾斗はふてくされた様子で口をつぐむ
「えっと、和樹の次は少し飛んで煉兄さんだね。十一月十一日」
「あのお菓子がよく売れる日ですね!」
「そうそう。去年の和樹からのプレゼントはそれだったよ」
−−−彼らしい
「で、二人はどうでもいいとして……」
「どうでもいいって何!?」
「扱いひど過ぎない!?」
騒ぐ二人に壮真は
「ごめん、冗談だよ」
と謝りつつクスクスと笑っていた
「ああそうだ。ここじゃないんだけど、お正月の一日と二日は宗家の屋敷に行くしきたりなんだ。新年の挨拶と、遥の誕生日が二日だから」
「え……」
華の顔が一気に強張る
思い出したくもない男と、新年早々に−−−

