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蜘蛛の巣
第1章 出逢い

「……ふん」
その反応に華は下を向いたまま目を見開く
「とにかくちゃんと伝えたからな。……行けよ」
そのまま華には見向きもせず彼は部屋を出ていった
「ハナ、ごめんね。メーちゃん誰にでもあんなだから気にしないで」
「恥ずかしがり屋さんなの。ホントはすっごく優しいんだよ!」
「うん……」
華は小さく頷いて返す
自分だって人見知りしてしまうタイプだし、突然のことで驚いたのかもしれない
"でも…ちょっと違うような気がする……"
どちらかといえば一切の興味がないかのようなーーー
この邸でやっていく自信がまたなくなってきた
"って、ネガティブになっちゃダメダメ! まだ始まったばっかりだし、最初から全員と上手く付き合えるなんてそんな都合の良いことあるわけないんだから!"
自分に喝を入れるように頬をパンパンと叩く
「ハ、ハナ!?」
「どうしたの? 大丈夫?」
急に自分を痛めつけ始めた華に双子は驚いて心配そうな目を向けた
「大丈夫大丈夫!」
華は明るく笑って答える
「そういえば、ソウマさんて人のとこに行かなきゃじゃないの?」

