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蜘蛛の巣
第1章 出逢い



「あー、うん。まぁ……」

「あんまり行きたくないんだけど……」



二人は顔を見合わせてため息をついた



「行かないと氷河期到来だからねー」

「行っても多分到来だけどねー」

「???」



しぶしぶ部屋を出て階段を下りてゆく二人を華は不思議そうな顔をして追いかけた



******************************



一階の談話室に着いた途端、華はまた驚きで声を出せなくなっていた



大きなスクリーン、ビリヤード台、ダーツ。

まるで海外の寮のようだ

壁には暖炉まで付いている(もちろん使われてはいないようだが)



その周りには座り心地の良さそうなソファが置かれ、そこに一人の男性の後ろ姿が見えた



「随分遅かったね」



気配を感じて振り返り、柔らかい笑顔を向ける

その顔は華を見てすぐに驚きの表情に変わった



「ああ、今日だったね」



男が立ち上がると、三人は文字通り彼を"見上げた"



"おっきい……!"



二メートル近くあるんじゃないだろうか

手足がすらりと長く、モデルかと思うほどだった


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