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蜘蛛の巣
第13章 鎖された場処

−−−次の瞬間、彼の額にデコピンを食らわせた
「……!?」
カメラを回している煉も二人のやり取りに気付いたらしい
小さく笑う声が入り込んでいる
“なんか……”
羨ましいな、と思ってしまう
京堂がどうだと言いながらも、こうして見る彼らの姿にそんな翳りは全く感じられなかった
いや、むしろ−−−
“ずっと一緒に……家族みたいに過ごしてきたんだ”
大人達−−−過去の人間がヒトの醜い顔を曝け出す度、彼らはその小さな身を寄せ合って堪えてきたのかもしれない
そこにはもう誰も入り込めないような、哀しく固い絆が存在していた
『それでは位置について! よーい……』

