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蜘蛛の巣
第13章 鎖された場処

ピッ
「……え」
突如として真っ青になった画面に目をしばたたく華
「やっぱりこれもつまんないや。結果知ってるし」
「つまんないって……え? まだ私見てないんだけど……」
「あー、壮真のお陰でバスケ部はダントツトップだったよ」
別のDVDの山を掻き分けながら綾斗が淡々とネタバレをする
「いやそうじゃなくて! こういうのはその途中を楽しむものでしょ! 壮真さんが頑張ってるとこ見たいよ」
「……ソーマを見てるハナなんか、見たくないよ」
「は?」
さっき聞いたのと同じ、少し沈んだような、それでいて威圧的な、低い声
“どういう意味? 私と見るのが楽しくないってこと?”
鈍感な華は綾斗の言葉の意味を察することが出来ない
彼の心中を測りかねて黙っていたところへ、茅斗がとびっきり明るい声で割り込んできた
「ねぇ、見てコレ! ビデオなんてあったよ! ふっるいよねー、絶対レンおじさんとかのだよ!」
場の雰囲気を直すためか
茅斗は
「ビデオデッキとかあったかなぁ」
などと大きな独り言を言いながらテレビ台の下を覗き込んでいる

