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蜘蛛の巣
第14章 想いの渡し方
「へぇ、華ちゃんの運動神経考えると貰っても意味なさそうなのに」
「なっ……こ、こういうのは気持ちが大事なんですよ!」
和樹のからかいに真っ赤になる華
ふいと顔を背け、次は結利の番だと彼の方を向く
だが結利は視線を外してどこか言いだしにくそうな様子だった
「あー……オレは最後で」
俯いたまま後ろに下がる
その場にいた全員が不思議そうに首を傾げて彼を見ていた
「さ、さっさと続けろよ」
結利の怒ったような口調に華の胸が締め付けられる
“そりゃそうだよね……後から来てこんなことしてもらって…図々しいよね……”
華はあの日談話室で要に言われたことをずっと気にしていた
「ゆークーン、用意してないなら今正直に言っちゃった方が良いですよ〜?」
何も持たずにいる結利に煉が笑いながらそう言った
「ちげーよ! ただ…デカすぎて持って来られなかっただけだ……」
「ん? 何だって?」
「……なんでもない! ほら和樹! 次お前だろ!」
背中を押されて和樹は面倒くさそうにため息をつく
ダルそうな動きでポケットからプレゼントを取り出すと、慌てて差し出された華の手に落とした