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蜘蛛の巣
第14章 想いの渡し方
「それとも」
和樹がふっと傍により、華の耳元で囁いた
「誰か特別な相手でも、想像しちゃった?」
「……っ!」
体を起こした和樹の顔には、いつもと同じ意地悪な笑みが。
"や、やられた……!"
そう思いながらも何も言い返す言葉の見つからない華なのであった
…コトン
和樹を睨む華の横で何かが音を立てた
振り向けば、要がテーブルに手をついてつまらなそうな顔で立っている
「……俺は」
小さく低い、それでもよく通る声
手を退かせば、そこに細長い箱のようなものが見えた
「形式だから渡すだけだ。気に入らなくても文句は言うなよ」
「……っ」
横目で見てくる切れ長の瞳
無表情なのに、あり得ないくらい威圧感を感じるーーー
「おい……何もわざわざそんなこと言わなくたっていいだろ! 華の何が気に食わないのか知らねぇけど、黙って渡すくらい出来ねぇのかよ!」
「メーちゃん……」
「いいの、大丈夫」
華は茅斗を遮って前に出た
要の置いた箱を取り上げ、ゆっくりと包装を開いてゆく