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第15章 分かたれて。

'ボクはカーヤがいてくれて良かったって、一人ぼっちじゃなくて良かったって、思うよ'





｢ボクにはアーヤが必要で、アーヤにもボクが必要だったから｣





華はただ黙って話を聞いていた

彼らの想いに、笑顔の下に隠された哀しみに何も言えなかった



"でも……"



華はもぞりと体を動かす

告白の間に茅斗の腕は少し緩んでいた



"それが人を良いようにしていい理由にはならないからね、カーヤ……！"





ｷﾞｭｯ



｢……っ！｣

｢逃がさないよ｣



顔を上げれば、闇慣れした目が茅斗の鋭い眼光を捉えた



｢初めてアーヤがいなくてもいいと思った……ううん、いない方がいいとまで思った。

ハナがいてくれるなら｣



低く強い、男の声

腕などなくても、逃れようがないと思わせるようなｰｰｰ



｢ボクがハナが欲しいと思ったとき、当然アーヤもそう思ってるって気付いたよ。二人とも口には出さないけどね｣





"ああ、本当に……今こそ一つになれたらいいのに"



華に自分たちが男であることを思い知らせたあの日、部屋を出た後の沈黙の中で、そう思ったのは自分だけではないだろう