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蜘蛛の巣
第16章 軋む
「…だからあんまりカーヤに構うなって言ったのに……」
一瞬立ち止まった綾斗はそう言って小さく舌打ちをすると、自分の部屋へと帰って行ったーーー
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綾斗はーーー私を好いてくれている
ーーー弟と同じように。
そしてその気持ちがまた茅斗と同じように強く自分に向けられるのが怖いーーー。
本当は拒んではいけないのかもしれない
互いの伴侶を決める為にここいるのだから、ここではこれが普通と思わなければーーー。
友達感覚でだらだらと中途半端な関係をしている自分が悪いのだ
どうせ此方に決定権などないからと、向こう任せにして。
それなのに求められたら拒否するなんて、きっとしちゃいけないんだーーー。
「でも……っ」
辛いーーー
怖いーーー
次は誰の"餌食"になるのかと
そんな風に考えてしまう
どんなに足掻いても、ここから逃れられはしないのにーーー。