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蜘蛛の巣
第17章 変化
ますます気まずい雰囲気になり始めた時、タイミング良く会場に到着した
いや、わざとーーーか。
周囲の駐車スペースには既にかなりの数の車が停まっている
「混んでるねぇ。空いてるとこ探してもらえる?」
おかげで全員その作業に集中することが出来た
「あ、あそこ」
結利がちょうど一台分の空きを見つけ、無事駐車を完了する
だが探しているうちに壮真たちの車とはぐれてしまった
「困ったな。カーヤの車椅子はこっちに積んであるのに」
治りかけの足に人混みは危険なので、茅斗は車椅子に乗ることになっていた
もちろん本人は嫌がったが。
「というかそれなら最初からこっちに乗るべきだっただろ」
結利が今更だが的確なツッコミをする
「……アイツと同じ空間が嫌だったんじゃないか」
ここにきて要がようやく三言目を発した
しかも煉が電話を掛けている間に、かなり辛辣な言葉を。
それは普段双子や結利がかます冗談とは全く違う言い方だった