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蜘蛛の巣
第17章 変化
「さて、どうしようか」
大勢の人間を前に壮真は改めて腕組みをする
とりあえず、と煉が答える
「八人でうろうろするとメンドクサイし、半分くらいに分かれない?」
「そうだね、じゃあ……」
「それなら僕は車に戻っててもいいですか? すごく…ふぁぁ……眠いし」
そう言って大きく欠伸をする和樹
「おや、こーんな可愛い女の子と浴衣デート出来るのに?」
煉が華の肩を抱き寄せながら呆れたように首を左右に振る
「もったいない……いつも思ってたけど、君には積極性ってものが足りませんよ和樹クン。我が弟ながら情けない」
「僕はどっかの変態おじさんとは違ってものすごく正常なので」
"どの口が……!"
「それに」
心の中で和樹を睨み付けた華に和樹が意味深な目を向ける
「浴衣デートなら前にしたことあるし、ね」
「…っ……」
「ということで僕はこれで」
「和樹」
立ち去ろうとする和樹の背中を壮真が呼び止めた
「せっかく来たんだから、花火くらいは一緒に見よう。皆も、花火が始まったらさっきの場所に集合でもいいかな?」
全員が同意し、和樹も
「ハァ……それじゃあまぁ起きてたら」
と一先ず賛成はした