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蜘蛛の巣
第17章 変化
和樹が壮真から車のキーを受け取って立ち去ったので、再びグループ分けに戻る
「僕はもちろん、華ちゃんとふた……」
「ああ、オレも華と行くわ。どっかの変態オヤジに絡まれたら困るし」
「……」
「俺はアーヤとカーヤの側にいようかな。二人が無茶すると困るし。
要はどうする?」
壮真の質問に要は少し考え込んだ
壮真も嫌だがかといって華の方にも行きたくはない
最近の結利はその華がいるが故に口煩いし、煉のあの掴み所のなさには–––裏の顔には、触れたくない
「……お前らと一緒に行く」
双子が一緒なら、自分の分も騒ぎ立ててくれるだろう
「じゃあ僕たちはワタアメでも食べに行こうかね」
「は? なんで綿あめなんだ?」
「そりゃキミ、浴衣姿の女のコにワタアメは必須アイテムでしょう」
「……聞いたオレが馬鹿だった」
「私、綿あめ好きですよ」
「華、こんな奴の言うことにいちいち真面目に答えなくても……。
ハァ、分かった。どっか綿あめ売ってるとこ探そうぜ」
せっかくの祭りでこれ以上のツッコミも野暮だと思ったのか、結利は軽くため息をついてやっと人混みの中を歩き出した