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蜘蛛の巣
第18章 無意味な邂逅
ね、華チャン?
そう言いながらこちらに向かってウィンクをしてくる煉に、結利はいくらかのムカつきを覚えた
“分かってるよって顔しやがって……”
わざわざ協力してこようとするところが腹立たしい
「さて、それ食べたら次はどこ行こうか」
そんな彼の気持ちを知ってか知らずか、煉は何もなかったかのように話を続けている
「あ、射的がある。懐かしいな〜」
「懐かしいって、何がですか?」
「だから射的が」
射的の何が懐かしいのかが分からず、華は首を傾げる
「あ、もしかして部活が射的部だったとか?」
「プッ……」
なぜか吹き出されてしまった
「フフッ、なるほどね……」
「おい煉、何笑ってるんだ?」
「いや別に?
ほんと、華チャンは僕の創作意欲を掻き立ててくれるなぁってね」
は?と結利の顔が険しくなる
「華を変なネタに使うなよ」