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蜘蛛の巣
第18章 無意味な邂逅
「変なネタって……あのねゆークン、思春期の高校生じゃないんだから、何でもかんでもそっちに結びつけないの」
はーあ、と声に出してため息を吐きつつ首を振る
日頃の自分の発言が原因だとは、露ほども思っていないらしい
「それで、射的の何が懐かしいんですか?」
「んー? ああ、昔まだ和樹が子供の時欲しがってた景品をあげたことがあってね」
「へぇ…なんか意外だな……」
「何が?」
「…いや……」
小さく目を伏せた結利に構わず、煉は先を続けた
「当時流行ってたテレビゲームなんだけどさ」
「え! それってかなり取るの難しいやつじゃないんですか?!」
「そうそう。和樹ったら大喜びして、お兄ちゃん大好きー、なんてさ。
あの頃は可愛かったのになぁ……」
言いながら、最後に–––誰にも聞こえないように
「ま、今の方がもっと可愛いけど」
口の中でそう呟いていた