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蜘蛛の巣
第18章 無意味な邂逅
「いいですね、兄弟!
私はひとりっ子だから」
「おや、華チャンも何か欲しいのかな?」
「いえそういう意味ではなく…」
やっているところを見てみたいだけです、と言うと煉はそれならと振り返った
「たまにはゆークンのリクエストを聞いてあげましょう」
「は、オレ? いや別に欲しいものなんてねーよ」
「遠慮しないで〜。 お兄ちゃんが何でも取ってあげるよ?」
「お前オレの兄貴じゃないだろ」
めんどくさそうにため息をつきながら、結利はさっさと会話を切り上げようと手を上げた
「あれ」
「あれ? あのキャラメルのお菓子? あんなのでいいの?」
「いい」
「あ、さては華チャンにあげる気ですね〜? せっかく人が……」
「いーからさっさとやれよ!」
はいはい、と笑って肩を竦める煉は–––少なくとも華の目には–––ある意味大人っぽく兄的存在にも映る
煉はお金を渡し銃を受け取ると簡単に狙いを定めた
周りが少しざわついた気がするのは、まぁその姿がそれなりにサマになっているからだろう