この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蜘蛛の巣
第18章 無意味な邂逅
パンッ!!
パンッ!!
パンッ!!
「……」
「……」
「…あ、れ……」
目の前の光景に華の口からは思わず声が漏れていた
「お前、さっきの話ウソだろ」
「嘘じゃないよー?
五回もやったのに全部外したら、屋台のおじさんが善意でくれたからそのまま和樹に渡した」
言ったでしょ、“あげた”んだって
「でも、ぇ……え?」
「ちょ、華チャンその反応……素直すぎだって!」
外された景品と外した煉を交互に見ながら華は口をパクパクさせている
あまりの滑稽さに煉が思わず笑ったところで、祭りの会場に放送が流れ始めた
「ご来場の皆様に、ご連絡致します。
まもなく、納涼花火大会が開始致します。どなた様も……」
「あ! 車に戻らないと!」
急いで今来た道を振り返った華は、また目の端に何かが映った気がして足を止めた
“やっぱり、今のって……”