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蜘蛛の巣
第18章 無意味な邂逅
「華、どうした? 大丈夫か?」
「ぁ、うん! 全然平気ごめん!」
結利の声にハッと我に返ると、華は他の二人と共にまた人混みの中を掻き分けて行った
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「ああ、来た来た!」
「遅いよレンおじさん。待ちくたびれちゃったよ!」
「ごめんごめん」
駐車場に戻ると、先にいた壮真たちが出迎えてくれる
花火を見により良い場所を求めてか、人々の姿はほとんどなくなっていた
「ふぁ…あ……で、どうするんです?」
「もう場所も取られちゃってるよね、きっと」
「おじさんが来るの遅いから」
「え〜、僕のせいですかぁ?」
いつもながら和樹、続いて双子の言葉がなぜか煉だけに鋭い
「あの、良かったらこの駐車場の奥に穴場があるんでそこに行きませんか?」
「へぇ、華ちゃんてそんな常連さんなんだ。
彼氏と来たことあるの?」