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蜘蛛の巣
第18章 無意味な邂逅
「違います!」
なんだって、和樹はいつも含みのある言い方をする
「高校時代からの友達と…毎年……」
不意に、華の脳裏を真里枝との記憶が横切る
「ふーん。で、なんで今年はその子と来なかったの?」
「……」
言い返すこともなくただ黙ってしまい、そんな彼女の様子に飽きたのか和樹もつまらなそうに会話を切り上げた
「……あれ、メーちゃん?」
なんとなくみんなが奥に向かい出したのに、立ち止まったままでいる要に綾斗が声を掛ける
「どうしたの?」
「……少し確認したいことがある。先に行ってろ」
「えー! またそうやって一人でいようとする!
ダメだよ、ちゃんとみんなで一緒に……」
「早く行けよ」
お説教が頭に来たのか、要は相手を鋭く睨みつける
とても成人男性が高校生に向ける眸ではない
「……分かったよ。
でも、後からちゃんと来てね!」