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蜘蛛の巣
第1章 出逢い



「なんか……」



華はこの邸に来ての第一印象を告げた



「みんな大変そうだね……跡取りってだけで振る舞いとか学力とか色々言われて。世間ではボンボンなんて言葉があるけど、そんないいものじゃないね」

「ああ、まあ確かにそうだな。でもオレは他の皆に比べたらまだまし。ちゃんと勉強するって約束で音大まで行かせてもらったし」



早霧にもちょっとツテがあるしね、と結利は笑って囁く

冗談なのかどうか分からない



「カーヤとか和樹の方が大変というか……あの二人、継ぐ気もないのにここにいるからね」

「え、どうして?」

「カーヤの方は簡単。双子だから長男も次男もないでしょってことで白河家の派閥争いの旗印に使われてる。

和樹はね……煉が継ぎたくないとか言い出したから。二人ともホント同情するわ」



それで本来五人のはずが七人なのか、と華はようやく納得した



「オレたちは十二でここに連れてこられるけど、和樹は色々揉めて二年前に来たばっかなんだよ」

「やっぱり色々あるんだね、跡継ぎともなると」

「それから……」

「あ、ちょっと」



華はさらに続けようとした結利を手を上げて止める



「もう容量いっぱい。続きはまた今度でもいい?」



今日一日だけで色々聞かされすぎて頭がパンクしそうだった



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