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蜘蛛の巣
第18章 無意味な邂逅
その気配は双子たちと屋台を回っている間に消え、今再び現れた
–––華とともに。
「私、は……」
案の定、目を泳がせる彼女。
その瞬間 二人の横顔に強い光が射した
ヒュウゥッ
パアンッ
続いて二発、そして三発。
人々の興奮したざわめきが耳に届くが、それとは対照的に要の眸は冷たいままだ
「いいでしょ、なんでも。
どうしてそんなこと気にするんですか?」
逆に問われて、今度は要が戸惑う番だった
“……”
答えはまだ出ない
華があのどす黒い沼に嵌っていくのなら、ただ黙って見ていれば良いものを。
つい口を出してしまうのは–––
「アイツに何かあると色々うるさい奴が多い。
それだけだ」
結局どちらも納得のいく理由を語ろうとはしない
「まぁ……別に迷惑がかからないならどうでもいい」
このままでは綾斗が後で何を言ってくるか分からない