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蜘蛛の巣
第19章 傀儡子



要はその手から荒々しく本を奪い返す



「読んでただけだ。

いつもいつも……くだらないことばかりするな」

「ひどいなぁ。いつ僕がくだらないことしたっていうの。

楽しんでるってだけなら、アーヤ達とかと一緒でしょ」

「人を焚きつけて面白いか?」



一度堰を切ると止まらない、要の言葉。



「なんのこと?」

「あいつをネタにあの男を煽ってるだろ」



煉は笑うのをやめ、付き合いきれないというようにため息をついた



「あいつとかあの男とか、指示語が多い文章は嫌いなんだよ、僕」

「……っ、華に関心が向くように早霧遥に色々刷り込んでこの家がめちゃくちゃになるようにしてるだろってことだ!」



煉は唇に指を当て、要に黙るよう伝える

それは彼の声が大きすぎたのか–––別の意図にも取れるが。



「邪推が過ぎるよ、要クン。

それにこの家が壊れたところでそれはキミにとってどうでもいいことだろう?」


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