この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蜘蛛の巣
第20章 嫉妬の行先
「だってさ、みんなの中で僕だけ華チャンと出掛けたことないんだよ? そんなの寂しくない?」
「別に寂しくないでしょ」
「あそっか、ゆークンもまだか」
「そういうことじゃなくて」
茅斗が代弁したが、当の本人はまた堪忍したように両手を挙げた
「分かりました、お言葉に甘えます。
でも際どいやつとか選ばないでくださいね?」
******************************
“って言ったのに……”
デパートの水着売り場で煉が示すのはどれも、ほとんど隠す布のないものばかり。
まずビキニであることは彼の中で決定事項らしかった
「こんなの着られるわけないじゃないですか!」
腰や首の紐を引けばすぐに取れてしまうような水着に、華ははっきりと抗議の声をあげる
いくらなんでもこれは受け入れられない
自分から食べてくださいと言っているようなものだ
「えー、絶対似合うと思うのに」
「そういう問題じゃないです」