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蜘蛛の巣
第20章 嫉妬の行先
なんだろう
和樹のような悪戯な意図を感じるわけではないが、やはり兄弟という感じがする
「似てますね、和樹くんと」
「え、何が?」
「趣味…でしょうか」
やたらと露出させようとするところもそうだが、ピンク色を中心に持ってこようとするところも、どことなく同じだ
「ああ、まぁよく言われるかな」
“あれ……?”
嬉しい–––のかな?
煉の表情は今までに見たことのないものだったが、それが喜びなのか華には分からなかった
「女の子の趣味も似てると思う?」
「へっ?」
唐突にそんな質問をされて、変な声が出る
「し、知りませんよそんなこと」
「例えばさ、僕が華チャンのこと気になってるとしたら、和樹も華チャンのこと気にしてるのかな?」
自分を例に挙げられたらますます答えにくくなる
「譬え話の中で話されても分かりません!」