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蜘蛛の巣
第20章 嫉妬の行先
怒ったわけではないが、戸惑いすぎて顔が勝手にそっぽを向く
「えー、ひどいなぁ。本当かもしれないのに」
そう呟いた煉の声はいつもより暗く沈んでいて、華は思わず振り返った
「なーんてね」
そして目が合った瞬間にウィンクされる
「……っ!」
弟以上に、この男の冗談は厄介だ–––
華はこれ以上騙されるまいと、煉への警戒態勢を強めるのだった
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「嘘だろ…その水着……煉が選んだのか?」
「ううん、最終的には煉さんに決めてもらったけど、二つくらいまでは自分で絞った」
周りにフリルの付いたピンク色のビキニ
結局はビキニだが、布の多さと白い縁が大人の色気など出させないようにしている
それが更衣室から出て彼女を目にした結利を驚かせたのだ
「わぁっ、ハナかわいいね!」