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蜘蛛の巣
第20章 嫉妬の行先
水面から顔を出し大きく息をする華
「ど、どうかな……っ」
平泳ぎだったわりには、肩が激しく上下している
「んー、そうだな……別に早く泳ぐ必要はないから、もっと落ち着いて伸びるイメージでやったらいいんじゃん?」
「でも思ったよりできてるよ! ハナのことだから溺れちゃうかと思った!
手を引っ張ってあげたりする必要もないし」
「お前失礼すぎるだろ……」
卓球で露わになった華の運動神経の悪さを知らない結利は綾斗を非難するが、本当のことだから何も言えない
「まぁ、陸上出来ても水泳出来るとは限らねーらしいしな。
そういう綾斗はどうなんだ? 泳げるのか?」
「えっ…」
「なんなら競争するか?」
「いやー……それはいいかな……」
プールサイドの二人を眺めながら、華はそれこそ意外そうな顔をした
「もしかしてアーヤ、泳げないの?」
「そっ…んなこと……ない……」
「……」
「……二十五メートルくらいなら泳げる…多分……」