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蜘蛛の巣
第20章 嫉妬の行先
モゾモゾする綾斗が可愛くて、華は思わずクスリと笑った
「なーんだ、それじゃ私と同じじゃん!」
「わ、笑わないでよ!」
「ほら、一緒に練習しよ?」
水の中から手を伸ばし、上目遣いで小首を傾げる
“…ぅ……”
それがウブな男子二人にとってどれほど魅力的かを自覚しない華はまさに“天然”だった
「っとりあえずさ!」
綾斗は慌てて目線を外す
「飲み物でも飲んで休憩しない?
せっかく晴れてるし、屋外のプールも行きたいよ」
「ああ、オレも賛成」
「……? 別にいいけど」
華は少し不思議そうにしつつも、彼らにしたがってプールから上がった
「じゃあオレ買ってくるよ。二人とも何飲みたい?」
三人が外へ出ると、ちょうど直ぐそばの席の男女が立ち上がった
「えっ、いいよ皆んなで行こうよ」
「でもほら、なんか混んでるし……この席取れたのもラッキーだろ?
取られないようにしといて」