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蜘蛛の巣
第20章 嫉妬の行先
「犯罪ですよ」
「まぁね。でも顔もバッチリ映ってるし、脅すには十分でしょ」
相手は慣れているのか全く動じなかった
「……」
「それとも」
それどころか、じりじりと近づいてきて華を端へと追い詰める
「既成事実作っちゃった方が早いかな」
「やっ……!」
手首を強く掴まれて、華が崩れ落ちそうになったその時–––
カシャッ
「……何してるんですか」
カメラの音と、低い声が響いた
「えっ、何……誰?」
「彼女のツレですけど」
「へぇ君が!」
男は焦ることなく綾斗に対して笑顔を見せる
「……フッ」
上から下まで眺めると、あからさまに見下した笑いを浮かべた
“ツレ”–––いわゆる彼氏には、どうしたって見えないからだろう
「見たとこ高校生? いや中学生かな?
いい身体してるけど、ちょっとお兄ちゃんと話すには早いかな」