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蜘蛛の巣
第21章 更なる深みへ



「カーヤ、完治したからってはしゃぎ過ぎじゃないかな?」



しかし壮真はその理由を問いただすでもなくただそう言って茅斗を立ち上がらせた



「橘さんに怒られるよ、三人とも」

「三人…ってオレもか!?」

「言い訳無用」



にっこり笑って全員を黙らせると、部屋に戻るように告げてから深くため息を吐く



「こうなると…華ちゃんが心配だな……」







******************************







ドンッ



角を曲がろうとした要は、何かにぶつかって手にしていた本を取り落とした



「……っ、わり」



反射で謝って相手の足元にある本を取ろうとするが、反応がない



「……?」



不審に思って顔を上げると、昏い眸でこちらを見つめる華の姿があった



「おま、え……」

「……え?」



いや、実際には何も見ていなかった

彼女は今初めて要に気付いたというように驚いた顔を見せる


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