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蜘蛛の巣
第21章 更なる深みへ
「分かりました。じゃあ……」
「あ、お入りになる前に、一つだけ」
呉羽はノックしようと手を上げた華を制した
「これから遥様がお話になることはこちらも全て把握済みです。対応は私が致しますので、反対したり口を挟んだりなさいませんよう」
「……はぁ」
一体どんな重要案件なのだろうと思いながら、とりあえず頷いた華は改めて部屋のドアを叩いた
「入れ」
前回とは違い、すぐに返事が返ってくる
「失礼します」
華は体が震えてしまわぬよう、それでも目を上げることが出来ずに俯きながら部屋の中に足を踏み入れる
「……」
入ってすぐの書斎で、机に座った遥がじっと彼女を見ていた
「おどおどするな」
小さく舌打ちされ華の体がますます縮こまる
「相変わらず……」
小声で文句を言おうとして、それもめんどくさくなったのか遥はさっさと本題に入った