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蜘蛛の巣
第21章 更なる深みへ
「単刀直入に言う。今日からこの屋敷に住め」
「……は?」
意味のわからない命令に思わずそう聞き返す
「もう住んでますけど……」
「頭の悪いやつだな。早霧の屋敷に住めと言っているんだ」
「そ、んな……」
唐突すぎて頭がついていかない
「でも私は分家の皆さんと…えっ、と……交流 するために来たんです。こっちに住む理由がありません」
「……」
初めて会った時も思ったが
“こいつ、すぐに怯えるくせになんでこんなに反抗的なんだ?”
抗えばどうなるか分かっているだろうに、馬鹿なのだろうか
「それについてはご当主から、いくつか条件を承っております」
「……なんだ」
これ以上何か言いかねない華を遮るように、呉羽が一歩前に進み出た
「華様の仰る通り、彼女は分家の方々と交わるためにこちらにいらっしゃいました」
“交わるとか……変な言い方やめて下さい呉羽さん!!”