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蜘蛛の巣
第21章 更なる深みへ
「だけど……」
「あの」
いつの間に入って来たのか、聞き覚えのある声に六人が振り返る
「ハナ!」
「華!」
「すみません、来るのが遅くなってしまって」
なんとなく頭を下げる華を止めるように、茅斗が彼女の肩を抱く
「ほらね、言った通りでしょ」
そして煉と和樹を強く睨み付けた
「それで、遥はなんて?」
壮真が話題を変えると、華は空いていた席に座って呉羽の提示した条件を伝えた
–––もちろん、一つ目は省いて。
「必要最低限の交流……ってなんなんだろうね」
そう呟く煉の言葉は意味深だ
だが華はそれには気付かず、最も気になっていた疑問を口にした
「遥さんは何のつもりでそんなことするんでしょうか……」
思えばここに来た時から妙に興味を持たれている
それでも、壮真たち他のメンバーへの執着も尋常ではないので特に訊くようなことではなかった
これが普通なのだと–––そう思っていた