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蜘蛛の巣
第22章 理由



「……夜になったら教えてやる」

「…っ……」



華の身体が無意識に強張る

それは緊張や、“夜”という意味深な言葉に対してではない



遥の顔が–––その笑いが、あまりにも無邪気だったから。

その無邪気さを、彼女は一度目にしていたから–––。







******************************



「あれ、要…今帰り?

今日は夕方まで授業の日じゃなかったか?」

「ああ……サボった」



廊下で出くわした結利相手に、要は無愛想に答えその横を通り過ぎようとする



“サボり? 要が?”



意外過ぎて目を瞬かせる結利。



「でも外には出てたんだよな? 何しに……」



あまり無駄な外出を好まない要だからこそ、つい気になって詮索してしまう

だが次の瞬間には



「悪かった」



手を上げてそう謝っていた

要の手が彼のシャツを掴み首元を締めているために、その声は少し詰まる


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