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蜘蛛の巣
第22章 理由



「怜夏様が、予定よりも早く大学を出られたと。

ご夕食前に遥様とのデートをご希望だそうですよ」

「……」



全ての言葉を聞き終え、遥はゆっくりと席を立った



「あの……」



慌てて華も続こうとする



「華様は、タクシーを呼びましたのでこちらで少々お待ちください」

「でも……」



あまりにも勝手な扱いに抗議しようとして、遥に睨まれる



「……っ」

「怜夏様は遥様の許嫁です。

……ご存じないのですか?」



さも知っていることが、そして身を引くことが当たり前だと言うような口調に唇を噛む



「……分かりました」



******************************



続く沈黙

来た頃と変わらないその空気は、遥といる時と変わらぬ心地悪さを華に与えていた



「その後どう? 不便とかない?」



反対側に座る壮真がいつもの笑みで問い掛ける


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