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蜘蛛の巣
第22章 理由
「そうですね…」
華は一瞬箸を止めた
「遥さんの考えてることはやっぱりよく分からないけど、特に嫌なことはないですよ!」
そしてすぐに笑顔を浮かべてそう言い、魚を口に運んだ
「そういえば、さっき遥さんに海には誰が行くのかって聞かれましたけど……」
「ああ、そういえばまだ確定してなかったね」
壮真が尋ねるように結利に目配せする
「…っ……え、と…要はどうする?
オレと壮真と、あと煉も行くけど」
「ボクたちも行けるよ! 部活ないから!」
「あとはメーちゃんとカズが行ったら勢揃いだね!」
双子ははしゃいでいるが、ここにいる誰一人として思っていなかった
要が“行く”と言い出すことなど–––
「いつだ」
「えっ」
「いつ行くんだって聞いてる」
予想外の聞き返しに結利はとっさに返答出来ない
「十日だよ。平日だけど、煉兄さんもその日なら大丈夫って言ってくれたし」