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蜘蛛の巣
第22章 理由
「まぁ僕はいつだって休みみたいなものだからねぇ」
既に食事を終え扇子で顔を仰ぎながら煉が壮真に返す
「で、どうするの〜?」
さも興味深そうに見つめる煉から顔を逸らし、要はボソリと答えた
「……–––」
「え? ごめん要、聞こえなかった」
「行かねぇって言ったんだっ」
語気を強めた要は、何に苛立っているのかテーブルの上で拳を握りしめる
「あ、そう。何もそんなに強く言わなくたっていいのにねぇ」
煉の笑いに更に神経を逆撫でされたのか、要はそのまま出口の方に向かってしまう
「メーちゃん! ごちそうさまくらいちゃんと言おうよ!」
茅斗が見当違いな注意を飛ばすも、振り返ることすらなく扉は閉められた
「……で、和樹はどうする?」
「…僕も行きませんよ。部活があるし、実家にも呼び出されてるので」
いつもの笑みもなくこちらもイラついた顔をしている