パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第22章 理由

「あの……」

「ﾊｧ…」




話を切り出そうとするもため息に遮られてしまう



「なぜお前なんだ」

「はい……？」

「お前はなんであいつらに好かれてる？」



“あいつら”が誰を指しているのか分からないほど鈍感ではない



「あの…特別好かれているとは思いません。ただ……」

「嫁候補だから構っている、か？」

「はい……」



ﾊｯ



遥の口元が歪む



「だとしたら愚かだなぁ……」



小さな呟きは広過ぎる室内に大きく響いた



「どんなに構おうが好こうがあいつらに決定権はない。もちろんお前にも、だ。

最終的に決めるのはこの俺。お前たちの気持ちには何の意味もない」



’ボクらに自由なんかなくて、それでも好きな人を自分のものにしたいっていう、これはボクたちのささやかな反抗だよ’



あの夜の茅斗の言葉が思い出される



「なら、なんで……」