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蜘蛛の巣
第23章 淡々と、眈々と。
「“引っ掻き回”されてる、とは感じてるんだぁ」
ふーん、とビールを飲みながら煉は思う
“本当に楽しいと思ってたら僕はもうちょっと優しいけどね”
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“……壮真さん?”
綾斗、茅斗、そして結利と遊んでいた華は海の家から離れて行く高身長の人影を見て首を傾げた
バシッ
「あたっ!」
その横顔に、結利の投げたボールが思いっきりぶつかる
「あ、悪い!」
結利は慌てて駆け寄ると、心配そうに華を覗き込んだ
「大丈夫か?」
「う、うん。ビニールだし全然平気」
「ボーッとしてるからだよ! まさかハナ、もうねっちゅーしょー?!」
綾斗の言葉に茅斗も不安げにこちらを見ている
「違うよ! ちょっと考え事してて…その……」
何故か若干言い淀んでから、華は続けた
「煉さん達は来ないのかなって」