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蜘蛛の巣
第23章 淡々と、眈々と。
「壮真さん……っ」
車の外で煙草を吸っていた壮真は、息を切らして現れた華の姿に目を丸くする
彼の意外な一面さえ目に入らないのか、華はさらに駆け寄って壮真の腕を掴んだ
「華ちゃん、どうし……」
「私を抱いて下さい!」
大声ではなかったものの、その強い力と物言いに壮真の体が車に寄りかかる
「お願い…します……」
全く状況が飲み込めない
「とにかく落ち着いて……っ」
華の顔を上げさせた壮真の目に濡れた眸が映る
あの夜と同じ–––
“救い”を期待した眸に、壮真は車のドアを開けていた
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「レンおじさーん、ソーマ見なかった〜?」
いきなり後ろから抱きつかれて煉はビールを吹きそうになるのを堪えた
「アーヤか、びっくりした……。
見てないけど、トイレとかじゃない?」