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蜘蛛の巣
第23章 淡々と、眈々と。
その後ろから茅斗と結利も現れる
「この辺のトイレは全部見たんだけどなー」
「つーか、こっちに華 来なかったか?」
「さぁ?」
肩を竦める煉に対して結利は怪訝そうな顔をした
「トイレじゃない?」
続けて、ハァとため息をつく
「お前なんにも知らねーのな……」
「失敬だね、僕ほどの物知りはいないっていうのに」
とにかく!と、煉は落ち着かない三人にやれやれと首を振った
「大の大人が消えるわけはなし。ここでジュースでも飲んで待ってたら?」
「……そうしよっか」
顔を見合わせてカウンターに向かおうとするのを、あ、と急いで呼び止める
「ついでに僕の分のビールおかわりもお願いねん〜」
「自分で行け!!」
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真上から射す強い日差しが車内を余計に暗くしている