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蜘蛛の巣
第2章 伸ばされたショクシ
せっかく謝ったのにまともに聞きもせず和樹は部屋に戻った
朝ということもあって余計に苛立っていた華は和樹がいた場所を思いっきり睨み付ける
そんな彼女に気づいて橘は目の前でパンッと手を打った
華はびっくりして目を瞬く
「さっさとご支度下さい!」
「は、はい……」
急いで部屋に戻って服を着替え髪を整える
が、戻った時には既に橘の姿はなかった
「えええええええ!? なにそれどゆこと!?」
思わず声に出して叫ぶ
広い邸内にその声が響き、華は慌てて口を押さえた
"でも行かないときっと怒るし……行くってどこに行くのよ……朝…朝ご飯……食堂?"
そう推理し食堂へと足を向ける
昨日最後に行った場所だったためなんとか迷わずに辿り着いた
「ハナおっはよーぅ!」
「おっはよーぅ!」
予想通りかどうか、食堂には朝からテンションMAXの双子の姿があった
「お、おはよう」
やや圧され気味に華も挨拶を返す
「ハナ早いね!」
「あんまり寝れなかったの?」
「ううん、アーヤたちのご飯の準備しないと」
「えー!」
二人揃って大きな声を上げる
本当に元気な双子だ