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蜘蛛の巣
第24章 水面下
いつも同じ夢だ
でもだからってどうということはない
「……ふぁ、あ」
華は身支度を整えて小さく欠伸をすると、朝食を取りに隣の屋敷へと向かった
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「夏休みって、人少ないね……」
静かすぎる食堂で華は結利にポソッと喋りかけた
それでも十分通じるほどに人がいない
双子は部活で朝早くに出たというし、斑目兄弟は揃って寝坊
要はいつものようにさっさと食べ終え、今ここには壮真を含めた三人しかいなかった
「まぁ気楽でいいよな」
結利は醤油に手を伸ばしながらそんなことを返す
「華ちゃんはこのあと出かけたりするの?」
「そうですね、料理研究会の活動があるので十時くらいには」
「送っていこうか?」
車で、という壮真に華は首を横に振る
「遥さんも大学に用があるらしくて、ついでに乗せてくれるそうなので大丈夫です」