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蜘蛛の巣
第24章 水面下
「えっ……」
案の定固まった空気に華は思わず笑ってしまった
「なんかよく分からないけど、急に。
最近そういうこと多いんですよね」
「そう……」
淡々と喋るその様子に結利も何も聞けないでいる
”なんでかは知らない”
けど、乗れと言われれば乗る
ただそれだけ。
「ユウくんは?」
「え、ああ……今日は自主練かな。大学行くのめんどいし」
「わざわざ行かなくても立派なピアノあるもんね」
壮真は来週に控える弓道の試合に向けた強化練があるらしく、先に部屋を出て行った
「リサイタルとかないの?」
「定期公演は秋にあるかな。でもその前に今月末にオープンキャンパスが」
「うわ、懐かしい! 行きまくったなぁ……でもオープンキャンパスじゃ高校生向けだし見に行けないね。ユウくんが人前で演奏するところ見たいんだけどなぁ」
「別に気にすんなよ、そんなこと。高校生に見えなくもないし?」