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蜘蛛の巣
第24章 水面下
”ユウくんそれってちょっと複雑だよ……”
華は心の中で苦笑する
「それに高校生ならいるじゃん。綾斗と茅斗。付き添いでくれば?
まぁ二人が興味あるとは思えないけど」
「ああ、たしかに……」
あの二人は高校二年生だった
「どこ目指してるんだろ」
以前教えた問題から、理系だろうとは思うのだが。
「やっぱりそういうのも決められてるのかな」
「いや、大学とか学生生活については割とフリーなんだよな、なぜか。
まぁオレほど自由なのも珍しいけど。三流とかじゃなければなんでも……煉なんてダラダラ大学院まで行ってるしな」
それは束の間の自由–––ではなく、将来を定められたが故に何をしたところで無駄、という意味なのだろう
きっと。
「ふーん……」
「というか時間大丈夫か? もう九時半だけど」
「え? あっ!」
華は時間を思い出し慌てて立ち上がる
「ありがとユウくん! また夜ご飯の時に!」
「お、おう……気をつけろよ!」